『危ない!「慢性疲労」』慢性疲労症候群の病因、分類、治療法をまとめておく

寝ても疲れが取れない、常に倦怠感がある、しかしいくら検査を行っても「異常なし」と診断され、途方に暮れ苦しむ・・・・・。

そんな人はひょっとしたら、「慢性疲労症候群」を疑った方が良いかもしれません。

今回は、慢性疲労症候群について書かれた、倉恒弘彦氏・井上正康氏・渡辺恭良氏の3人の意思が共同で執筆した著書『危ない!「慢性疲労」』を取り上げます。

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◆慢性疲労症候群と慢性疲労の違い

慢性疲労症候群、なんか病名が怠け者のような印象を与えるかもしれませんが、慢性疲労症候群と慢性疲労は異なります。

「慢性疲労症候群」と「慢性疲労」は、よく似てはいますが、同一に考えることはできません。「慢性疲労」は、たとえ自覚的な疲労感が半年以上続いていても、日常生活に特に支障をきたさない程度のごく軽い疲労症状のものです。もちろん、それが進行して慢性疲労症候群に移行する可能性は考えられますが、今すぐに治療が必要というレベルではありません。

これに対して「慢性疲労症候群」は、疲労を併発しうる他の疾患が見当たらなくて、日常生活を送ることが極めて難しい重篤な疲労感が六か月以上もの長期にわたって連続する場合に診断されます。わかりやすく言えば、がんや甲状腺疾患、更年期障害などの病気はないのに、仕事や学校に行けない、あるいは家事や日常生活ができないほどの極端な疲労感に苛まれた状態が半年以上続いた時に「慢性疲労症候群」という病名が付けられることになるのです。(出典:第3章 慢性疲労症候群のメカニズムにせまる P64)

同じ疲労でもレベルが違うことがよく分かります。

慢性疲労症候群の患者は、決して怠けているわけではなのです。

◆慢性疲労症候群の病因は?

慢性疲労症候群を引き起こす原因として、ストレスと感染症(炎症)が挙げられるそうです。

慢性疲労症候群の発症に大きく関わっていると考えられるのは「ストレス」と「感染症(ウイルスの再活性化)」です。特にストレスは大きな発症要因と考えられています。この両方の因子が融合した結果、慢性疲労症候群の発症に至るのではないか―――というのが現在の医学界における大方の見方となっています。(出典:第3章 慢性疲労症候群のメカニズムにせまる P74)

ストレスにより免疫力が下がり、感染症になり、さらにストレスがかかる・・・。

こんな悪循環も考えられます。

◆症状別分類

慢性疲労症候群はストレスとの結びつきが強い病気なので、精神疾患との関わり方から三つのグループに分けることでそれぞれに合った治療法を組み立てているそうです。

1群・・・・・慢性疲労症候群の発症時から現在まで、精神疾患が認められないケース

2群・・・・・慢性疲労症候群の発症時は精神疾患が認められなかったが、慢性疲労症候群にかかったことによって仕事を休むようになったり、あるいは周囲から「怠け者」扱いをされたりして、精神的に落ち込んでしまい、二次的に「うつ状態」や「神経症」などの精神疾患を引き起こしているケース

3群・・・・・慢性疲労症候群の発症時に何らかの精神疾患の診断基準も満たしており、その症状が慢性疲労症候群の診断基準とも合致するケース(出典:第3章 慢性疲労症候群のメカニズムにせまる P81)

◆治療法

まずは、疲労回復の方法です。

これまでの研究で、そのリセット機構には生体内の物質変化が関係している―――ということが分かってきました。人が疲れをリセットするには、軽い運動、栄養補給、脳に働きかける緑の香りや音楽などが有効であることもわかってきました。(出典:第1章 疲労のメカニズムと回避 P48)

症状が重い場合、これだけでは改善しません。

そこで、漢方薬やビタミン、投薬が行われるそうです。

内科的な治療は、おもに1群と2群の患者さんを対象にして行います。基本治療となるのは、「補中益気湯」という漢方薬とビタミンB12(メチルコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)の服用です。(中略)

漢方薬やビタミン剤の投与で効果が見られない場合、選択的セロトニン再吸収阻害薬SSRIを投薬します。慢性疲労症候群の患者さんの中には、SSRIは抗うつ薬として使われていることを知っている人もいて時にこの薬の服用に拒絶的な態度を示すことがあります。しかし、慢性疲労症候群の病因のところでも紹介したように、ここでSSRIを使用する理由は、脳内のセロトニン代謝の異常が疲労病態に深くかかわっていることが明らかになってきたことによるもので、患者さんにはその点をよく説明して理解を得るよう努めています。(第4章 慢性疲労症候群の治療の実際 P128~130)

重度のケースの場合、うつ病の薬(SSRI)が有効らしいです。

◆危ない!「慢性疲労」

上記以外にもこの本は、

  • 疲労のメカニズムについて
  • 精神疾患との関係について
  • ストレス回避の方法について
  • 慢性疲労症候群の治療(具体的事例)について

など、慢性疲労症候群について何の知識もない患者がこの病気について知ることができるよう説明がされています。

常態的な疲労が続く方は、まずは一度この本を読んでみてはどうでしょうか。

『危ない!「慢性疲労」』は、こちらから。

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