これがトップアスリートの思考!「上昇思考」から長友佑都のポジティブシンキングを学ぶ!

サッカー日本代表・長友佑都選手が2012年に出版した「上昇思考」について取り上げます。

この本は、長友選手がメンタルを成長させることによって、セリエA・インテルで活躍できるようになったことを自身の経験に基づいて書いている本です。

冒頭、長友選手はメンタルの重要性について、このように述べています。

人間のすべてはで動いている。心の状態によって、何が見え、何が感じられるかということはまったく違ってくる。その事実は、普通に想像されるレベルをはるかに超えているのではないか。

今回は、この本で書かれている長友選手のメンタル(基本的な考え方、思考法、トレーニングなど)についてまとめていきます。

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◆メンタルトレーニングは、日常の生活から

セリエAのビッククラブ、インテルに移籍してから自分のプレーが出来なくなってしまった長友選手。

メンタルを見直していくことを決意するのですが、まずはじめに行ったことは日常生活における心のトレーニングだったといいます。

重点的にメンタルを見直していこうと考えてから、僕がやったのは少しも特別なことじゃなかった。それはピッチを離れている日常の時間でも自分の心と向き合い、心と会話を続けることだ。そう書くとピンとこないかもしれないけれど、つまらないことで苛立ったりしないように心がけ、もし苛立ってしまったとしたら、すぐに反省するようにしていた。

具体的な例として、車の運転(横入りしてくる車)や買い物(急がない店員)を挙げて、苛々しないことの大切さを説いています。

また、自分の心と向き合う時間を10分間とり、「心のノート」を書いたり読んだりすることで、普段から自分の感情をコントロールすることを意識しているといいます。そのノートには例えば次のようなことが書かれているそうです。

“思いもかけず何かに苛立ってしまったときには、そのことを振り返って自分を戒める。相手のある問題だったとすれば、相手の立場から見た状況や気持ちを考えてみる。”

このように、普段の生活からメンタルトレーニングに励んだ長友選手は、これまでに専門的なメンタルトレーニングを受けたことがないそうです。その理由は、

とくに変わったことをしなくても、毎日の生活のなかで感情をコントロールする意識をもっているだけで、心を鍛えて、落ち着かせることはできていく。学ぶための材料はどこにでも落ちているものだし、どこにでも見つかる。それを見逃さずに拾い上げていく意識があれば、人の「心」はどんなふうにでも成長させられる。

からだそうです。

◆ポジティブ・シンキング

長友選手は、弱音を吐けば「負の連鎖」を招くだけとし、

ネガティブな発言をしても、マイナスの影響が出るだけで、何ひとつプラスにならないのがわかっている。人に対してネガティブな言葉を口にしないだけでなく、自分の中でもそう思わないようにしておくことが大切だ。(中略)そういう言葉が口に出るのは、心がまいっている証拠でしかない。そういう状態でネガティブな言葉を繰り返していれば悪循環(身体も疲弊する)に陥っていくだけだ。心と身体は互いに影響を与え合う。

だから、弱い自分やネガティブな思考が出てきたときに、それ以上にポジティブな思考をふくらませるといいます。

例えば、チームが連敗中のときは(サッカーに熱狂的なイタリアでは負けると犯罪者のように扱われ)「正直なところ本当につらい」といい、

でも、「これは最高の経験だ」「こんな経験をできるのは世界中探してもひと握りの人間だけだ」という気持ちになっていれば、そんな現状をネガティブに捉えなくて済む。

とポジティブに思考するのだそうです。

また、他人(新聞)による評価より、「自己評価」が最も大切だとし、

自分につけられた点数はそれほど気にしないようにしている。(中略)そこには結局、好き嫌いや、新聞それぞれの色があるわけだ。それを気にして、そんな点数に振り回されていても仕方がない

とも述べています。

また、状況が良くないとき(例えば連敗中)こそポジティブに考えるといいます。

その時期に僕は、繰り返し「こういうときは成長するチャンス」と口にしていた。(中略)メディアに叩かれたようなときでも、こうした苦境に立たされたときでも、落ち込んでしまうことはない。そういうときこそ多くを学べるものだ。

ミスについても同様だそうです。

人間である限り、必ずミスはするものだけど、同じミスは絶対に繰り返さないという意識を強くしていれば、ミスのひとつひとつがプラスになっていく。(中略)うまくいかないということは”まだまだ上に行ける”ということに通じる。結果が出せないときやミスをしたときには、それによって目の前に広がる可能性の大きさを知ることもできる。

また、ふくらはぎを肉離れしてしまった際にも、「天が与えてくれた試練」と捉え、気持ちを切り替えたといいます。

そういう意識をもっていれば、つらいこと、ついてないと思えるようなことがあっても、落ち込む必要はなくなるし、むしろ「次に起こるいいこと」を心待ちにできる。実際に、過去にあったつらい経験にしても、時間が経ってから振り返ってみれば、それがプラスになっていた場合は少なくないはずだ。その時点ではくよくよと悩んでいたことでも、「どうしてあれくらいのことで悩んでいたのか」と笑い話になる場合のほうが多いのかもしれない。くよくよする必要なんて、最初からなかったということだ。

また、悪い事態を迎えたときのイメージトレーニングを前もって行うことで、実際に悪いことが起きたときに、「こういう場面は頭の中で経験している」と受け止めて、すぐに切り替えられるといいます。

ミスをした直後には、「こんな経験させてもらって、ありがとうございます」と心の中で感謝していたくらいだった。(中略)それ以上、ミスを重ねていくことをおそれたりするのではなく、「もっと、どんどんこい!」という気持ちになれていた。

理不尽なことを言われたときには、次のように考えるそうです。

そういうときにも感情は抑えて、「自分は後輩に対して、そんな言い方はしないでおこう」と、学びにつなげるように心がければいい。人との関係がうまくいかないときには、相手の立場になって状況を振り返ってみるのもいいはずだ。そうすれば、うまくいかないときには、自分の側にも悪い部分、原因の一旦があるということに気づける場合が多いのではないかと思う。(中略)人を憎んでもつまらないし、人と衝突することは絶対に避けたい。ケンカをして、いいことなんて何もない。

イヤな監督と出会ったことはないといい(スゴイな)、でももしそうなっても、「その人のいいところを見つけて好きになる」といいます(スゴイな)。

別のチームに移ろうかと考えたり、監督交代を願ったり、監督の考えが変わってくれることを望んでしまう人もいるかもしれないけれど、そういう発想をもっていても仕方ない。そんなときには、その人のいいところを見つけて好きになる。それがいちばんの解決策だろうと僕は思う。

◆感謝の心

長友選手は、ポジティブシンキング同様、感謝の心があるから人は成長できるといいます。

人に助けられているからこそ今の自分がある。それに対する感謝の心があるからこそ、自分に厳しくもなれるし、努力を継続できる。

そして、感謝の心をもてている人はしっかりと周りが見えているといいます。

人に対して感謝の気持ちを抱けているかどうかということは、あらゆる場面で最初に問われることだと思う。(中略)それができているか、てきていないかということで、いろんな結果が変わってくる。(中略)どんなときでも周りの人たちのことを考えられる心の余裕がもてているというのは、それだけ人として成長できているということになる。

また、感謝の心はポジティブシンキングと密接につながっているともいいます。

いつでもポジティブな発想をもち、前向きに努力していてこそ、自分を支えてくれた人、支えてくれている人たちへの恩返しとなるからだ。

◆サネッティの教え

長友選手は、カーネギー「人を動かす」やおばあちゃんの手紙、中村俊輔選手など、様々な人や本、言葉から良い影響を受けたといいます。

なかでもインテルの同僚、アルゼンチン代表(当時)サネッティ選手のメンタリティの強さを見て、自分もこうなりたいと思ったそうです。

あるとき長友選手が、サネッティにケガもしなければ疲れもみせず常に安定したパフォーマンスが出せる理由を問うと、彼は「すべては頭だ」と答えたといいます。

「試合に勝っても負けても、いいプレイができてもできなくても動じることがないように頭(心)を常に安定させておくことが大切なんだ」

また、あなたのようになるにはどうすればいいのか、と問うた長友に対し、サネッティは次の4つの回答を示します。

「ネガティブな考え方はすべて捨てて、どんなときでもポジティブな思考で、前を見ていること。そうしていれば心も身体も癒される」

「負けが続いていて、いいことがないようなときでも、いっぱい笑って、いまを楽しむことだ。笑顔はすべてを救ってくれる」

「いいこともあれば悪いこともあるのは当たり前だから、何ごとも楽しむことが大切だ」

「あとは、いつでも落ち着いて冷静でいること。それだけだ」

もう、何というかサネッティ、哲学者です。

◆長友佑都「上昇思考」

こういうスポーツ選手本、結果論的に自慢しているだけの本が多い印象が勝手にあり、この本についても敬遠していました。その結果、出版から5年も経過してから読むことになってしまったわけですが、もっと早く読んでおけば良かった、と思う内容でした。

内容としてはPHP的で言われていることは他の自己啓発本と大きく異なることはないのですが、長友選手の実績と書かれているエピソードにより説得力がかなりあります。

私は長友選手をFC東京時代から観ていますが、サッカーを自分が成長するための手段として捉える考えを基本とし、そこから難しい状況でもポジティブに思考することによって成功してきたことは知りませんでした。

長友選手のファンでなくても(サッカーを知らなくても)、自己啓発に興味なくても、簡単に読める文章で、トップアスリートの思考を垣間見ることができるので、この本オススメです。

長友佑都「上昇思考」はこちらから。

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