“ウソ”をめぐる“本当”が分かる5つの実験

(出典:NHKBS)

NHKBS1世界のドキュメンタリーで、「(不)正直な私たち~“ウソ”を巡る“本当”の話~」という番組を放送していました。

元々は2015年アメリカのドキュメンタリーで、原題は「(DIS)HONESTY THE TRUTH ABOUT LIES」、制作は「Salty Features/ Fourth & Twenty8Films」です。

番組ホームページ(NHK)には、

人はなぜウソをつくのか?この根源的な疑問に様々なケーススタディで答えるドキュメンタリー。ウソのハードルを下げる心理的、社会的なファクターをユーモラスに紹介する。

と番組内容が紹介されている。

番組は、経済学者ダン・アリエリーの講演やウソ・不正で人生を棒に振った人のインタビューを中心に、人はどのような状況でウソをついたり、不正を働いたりするかということを解き明かしていきます。

私が最も興味深かったのが、アリエリーの5つ実験です。

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◆実験① 「合わせて10になるペアの数を見つけ出す」テスト

(出典:NHKBS)

まず最初の実験は、「合わせて10になるペアの数を見つけ出す」テストです。

正答数に応じて、現金(1問=1ドル)が貰えます。そして正答数は自己申告です。

被験者は5分間で問題を解いたうえで、解答用紙をシュレッダー(本当は偽物のシュレッダーだが被験者は知らない)にかけます。

被験者は自身の正答数を担当者に知られないと思っていますが、後にアリエリーは被験者の申告が正しいか確認することができる、というわけです。

(出典:NHKBS)

4万人近くを調査した結果、70%の人は少し(1~2問)の虚偽の申告したといいます。

この結果から、マクロ的にみると、20問以上ごまかした大ウソつきよりも、70%の小ウソつきの方が総額では経済的なインパクトが大きい、と分かるというのです。

◆実験② 不正を行う者を一人入れて行う

次の実験は、実験①と同じように「合わせて10になるペアの数を見つけ出す」テストを行いますが、今回は明らかに早すぎる時間(30秒)で全問題を正答で解き終わる被験者を一人入れて行う実験です。

(出典:NHKBS)

その被験者は、他の被験者から見える形で(つまり明らかな不正を行い)現金を受け取り、退出します。

するとどうなるか。

実験①に比べて、不正を行う者が増えるという結果になったのです。

つまり、この結果から不正を行うかどうかは社会的な要素が影響しているということが分かる、というのです。

◆実験③ 不正を行う一人は他大の学生

次の実験は、実験②と同じように30秒で不正をし退出する被験者を一人入れますが、今回はその一人の被験者を他の学生とは異なる大学の学生(トレーナーで分かる)にして行う実験です。

するとどうなるか。

結果は、実験②と比べ、不正する者の数は減ります。

この結果から、不正を行う他者が自らの属する共同体でない場合はさほど影響を受けない、ということがいえるというのです。

◆実験④ お金との距離

(出典:NHKBS)

最後の実験は、正答数の申告時に現金を受け取るのではなく、ブロックを受け取ってから隣の列で改めて現金に換えるという手順を踏むとどうなるのかという実験です。

(出典:NHKBS)

結果は、実験①に比べて、不正をする者が増えたのです。

この結果から、現金との距離があると人は不正を行いやすくなる、というのです。

つまり、現実ではクレジットカードや仮想通貨、ストックオプションなど現金から距離が遠ければ不正が行われやすくなるということです。

◆実験⑤ 十戒

最後の実験は、実験前に「十戒」を書いてから実験を行うというものです。

(出典:NHKBS)

するとどうなるか。

結果は、クリスチャン以外も、実験①に比べて、不正を行う者が減ったのです。

この結果から、宗教やモラルを意識させることが不正を抑制することができるというのです。

◆まとめ

アリエリーはこれらの実験を通じて、ウソをつくかどうかは、性別や国籍、人種はほとんど関係なく、どのような状況に置かれるかがポイントだと言います。

ですから彼は結論として、ウソをつきやすくなる状況を作らないことがウソを減らすための手段であると主張します。

私は最初暇つぶしで番組を見ていたのですが、どんどん引き込まれました。

番組は、上で紹介した以外の内容も大変興味深かったです。

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