臨床心理士が説明する、怒りと向き合う5つの方法を『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン「認知行動療法」入門』から学ぶ

認知行動療法について分かりやすく学ぶことができる、臨床心理士・中島美鈴著『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン「認知行動療法」入門』。

今回はそのなかでも、怒りと付き合う5つの方法(アンガーマネジメント)について取り上げます。

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1.怒りが発生する前にあった「一次感情」に目を向ける

中島氏は、「怒りは二次感情である」と指摘しています。

ごく簡単に言えば、人は不安や恐怖、嫉妬、寂しさ、無力感、自己嫌悪など、自分の中に受け入れがたい「一次感情」があるときに、それを隠すように怒る、というのがアドラーの考え方です。

そして、この考え方が大前提といいます。

「怒りという感情よりも前にあった感情に目を向ける」というのが、アンガーマネジメントの大前提となる考え方です。そして、二次感情である怒りにとらわれることなく、一次感情を解消することを目指していきます。

2.怒りを行動化することにより、どんなメリットを得ようとしていたかを分析する

怒りという感情は(二次的なものであるがゆえに)私たちが本当に得たかったものを見失わせ、メリットよりもデメリットの方が大きい行動を取らせることがよくあります。そのことに気づくのが、アンガーマネジメントの第二段階です。

中島氏は、一度怒ることによってメリットを得られると(誤って)学習した人に対して、それは本質的には長期的にメリットになっていないと説明します。

怒りの表現は、長期的に考えれば、人間関係の良好さやパートナーからの愛情を損なうものである可能性が高いはずです。だとすれば、怒りを行動化することによって得ようとしていたメリットは、本質的なメリットにはなっていません。

3.怒りを生じさせている「認知の歪み」を分析する

怒りを発生させている「認知の歪み」に気づき、その修正や客観化を試みる、というのが、アンガーマネジメントの第三段階です。

中島氏は、認知の歪みのなかでも、~すべき・~しなければならないという考え方に固執する「すべき思考」は特に怒りにつながりやすい、といいます。

内容はいずれも道徳的に正しいことである場合が多いのですが、それにこだわるあまり、融通が利かなくなり、いつもイライラしていたり、自分を責めていたりする。さらに、そのために他人と衝突することが多かったり、本人が抑うつ症状に陥ってしまったりしている場合にはそこに認知の歪みがあると考えて、修正を試みる必要があります。

中島氏は、must(~すべき)をbetter(~した方が良い)に変える、修正法も併せて紹介しています。

そして、自分の認知の歪み(信念)を把握しておくことが大切といいます。

自分がどんな信念を持っているかを把握しておくことは大切です。それができていれば、怒りを発生させる自動思考が起こったときにも「自分がこう考えるのは、こういう信念を持っているからかもしれない」というふうに、自分の認知を客観的に眺めることができるようになります。

4.怒りのピークをやり過ごし、怒りに伴う身体の反応を緩和させる

一説には「怒りのピークは6秒」とも言われています。その6秒間さえやり過ごすことができれば、怒りに任せて他人を傷つけたり、人間関係を悪化させたりする行動をとってしまうことは避けやすくなる、というわけです。そのため、怒りが高まっているときには「ともかく心の中で6つ数えましょう」という「カウント6」と呼ばれるルールも推奨されています。

もっと良いのは、怒りを発生させている状況から離れることです。スマホに夢中になっているパートナーに怒りを感じている例で言えば、まず一緒にいる部屋から出ることが有効でしょう。その上で、さらに怒りに伴う身体の反応を緩和させることができればベターです。

怒りに伴う身体の反応を緩和させる方法として、次の5つ目を挙げています。

5.一次感情を解消する方法を考え、実行する

中島氏は、「怒っているときには心拍数や血圧が上昇し、呼吸がせかせかと浅くなり、全身の筋肉に力が入る」と指摘し、次のようにアドバイスしています。

そうした身体の反応に対して、リラクゼーション法(呼吸法や漸進的筋弛緩法)を用いることを試みましょう。身体をリラックスしているときの状態に近づけることができれば、それだけ早く怒りも鎮められると考えられます。

とはいえ、怒りで頭に血が上っているときに「まずは両手に力を入れてから脱力して・・・・・」と考えていくのは難しいかも知れません。その場合には「まずは深呼吸して、呼吸を落ち着かせよう」「体の力を抜こう」と考えるだけでも違うと思います。

◆中島美鈴『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン「認知行動療法」入門』

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